赤ちゃんを連れて電車やバスなどの公共機関を利用する場合、赤ちゃんがぐずったり泣き出したりして周りに迷惑をしまわないかと緊張しているパパやママは少なくないと思います。
ましてや飛行機に赤ちゃんを乗せるとなるとその緊張は電車やバスの比ではありません。なぜなら飛行機では目的地に着陸するまであの狭い空間に何時間も乗り続けなくてはならず、赤ちゃんがぐずったり泣き止まないからといって途中で飛行機から降りることはできないためです。
機内で赤ちゃんが泣き出したりぐずったりしないための対策
赤ちゃんを連れて飛行機に乗るときは泣き出したりぐずったりしてしまわないかと緊張してしまいますが、それでも機内での対策はいくつかあります。
授乳やおむつ交換など基本的なことは済ませておく
赤ちゃんが日頃泣いたりぐずったりするのは、お腹が空いたり眠かったりおむつが汚れていて気持ち悪いといったことが原因であることが多いです。
普段の生活と同じように飛行機に乗る場合も授乳やおむつ交換をすることによって赤ちゃんが不快に感じる原因を取り除いておきましょう。
空港には何ヶ所もベビールームが設置されています。例えば羽田空港国内線では第1ターミナルに15ヶ所、第2ターミナルには18ヶ所、国際線の第3ターミナルにも17ヶ所のベビールームがあり、すべてのベビールームに調乳用温水設備があります。
また、赤ちゃんは耳抜きが必要ないとも言われていますが、離陸する際の気圧の変化を不快に感じて泣くこともあるようです。そんなときは離陸のタイミングに合わせて授乳をしたりミルクをあげると自然と耳抜きもできて効果的です。
おむつに関しては、飛行機に乗る前に交換しておいた方が良いです。飛行機の化粧室にはおむつ交換台もありますが狭い化粧室でのおむつ交換は大変ですし、赤ちゃんにもストレスがかかります。
搭乗前にたくさん遊ばせて疲れさせる
飛行機に乗る日は空港には早めに到着するようにし、空港内のキッズコーナーで赤ちゃんをたくさん遊ばせて疲れさせるのも手です。
キッズスペースも授乳室と同じでだいたいどこの空港にも完備されています。羽田空港国内線ターミナルには第1ターミナル、第2ターミナルともに3ヶ所、第3ターミナルにも2ヶ所のキッズスペースがあります。
キッズコーナーで遊び疲れて飛行機の中で寝てくれると泣いたりぐずったりする心配もする必要がなくなるのでパパやママも安心です。
赤ちゃんが普段使っているオモチャなどを持っていく
飛行機内は狭くて普段と環境が異なるので赤ちゃんにとってストレスがかかる場合があります。
そのため赤ちゃんが普段から使っているオモチャやおしゃぶりなどを持っておくと、赤ちゃんも安心するため泣いたりぐずったりする心配が減ります。
赤ちゃんをなるべく普段と同じような環境にしてあげることはとても大切です。
ちなみにこの後何度か赤ちゃんと一緒に飛行機に乗っているのですが、泣き止まない場合に読んであげるとすぐに泣き止む魔法の絵本を持って搭乗することにしています。
子育てに不寛容な日本人が赤ちゃんを連れた親を緊張させている
そもそもなぜ幼い子を持つ親がここまでびくびくしながら飛行機や電車に乗らなければならないかというと、その原因のひとつは日本では子育てしている人に寛容的でない人が多いからだと思います。
赤ちゃんをベビーカーに乗せた母親が電車に乗ってくると眉間にシワを寄せて露骨に迷惑そうな顔をする人や、赤ちゃんが少し大きな声を出しただけで睨みつけてくる人もいます。
日本では「他人に迷惑をかけてはいけない」と躾けられて育っている人が多いこともあってか、必要以上に周りに気を使いすぎており、逆に他人から迷惑をかけられることに対しても必要以上に厳しくなっているように感じます。
また、ストレス社会の影響もあるのでしょうか。他人の迷惑を多めに見るほど心に余裕が無い人が多いのかもしれません。
海外では日本とは逆に「自分も他人に迷惑をかけているのだから、他人の迷惑も許してあげなさい」と寛容的に考える人が多いようです。
日本はビザ無しで180ヶ国に渡航できる世界一のパスポートパワーを持っているので、日本人はもっと海外に行って色々な価値観に触れればいいのにと思います。
そう言えばもう何年も前のことになりますが、飛行機で泣き止まない赤ちゃんに出くわした際に「もうやだ、降りる、飛び降りる!」と航空法に違反して着陸準備中の機内で走り出し、赤ちゃんの母親に対して「あなたのお子さんは、もう少し大きくなるまで、飛行機に乗せてはいけません。赤ちゃんだから何でも許されるというわけではないと思います!」と言い放った挙句、機内でも到着後もJALに対して激しくクレームを入れ続けた、さかもと未明というモンスターのような漫画家もいました。
もちろん、赤ちゃんは泣くのが仕事だからと親が放っておくのは良くありませんし、見知らぬ赤ちゃんの泣き声にイライラしてしまう気持ちも理解できます。
それでも社会全体が子育てに対してもう少し寛容で協力的になってくれるといいのにと思います。
そして我が家の赤ちゃんファーストフライトの結果は
我が家の赤ちゃんは生後6ヶ月のとき大阪に行くため初めて飛行機に乗りました。
フライト当日は羽田空港へと向かうためにいつもと違う時間に起こしたためか、家を出る前からずっとグズグズして機嫌が良くなさそうでした。
飛行機の時間から逆算して授乳をし、離陸時にはミルクを飲ませることにしていました。また、キッズコーナーで遊べるほどの月齢でもなかったので羽田空港に到着してからは抱っこをしながら一緒に遊んで過ごしました。
色々と赤ちゃんに気を使いながら搭乗時刻までを過ごしましたが、内心ではうちの赤ちゃんは多少のことでは動じない性格なのでそこまで気にしなくても飛行機に乗せたくらいで泣くわけがないと思っていました。
そして搭乗時刻になりました。
赤ちゃんが機内で過ごす時間を少しでも減らすために最後に機内に乗り込もうかとも考えましたが、赤ちゃんのオモチャを出したりミルクの準備をしたりと忙しくしなければならないため、事前改札サービスでダイヤモンドメンバーの優先搭乗よりも先に機内に乗り込みました。
飛行機に乗り込むまでまったく気づかなかったのですが、赤ちゃんの初フライトはスターウォーズのC-3POが描かれた特別塗装機である『C-3PO ANA JET』でした。
僕も妻もスターウォーズにはあまり興味が無いのですがとりあえず記念にとジャンプシートに座っていたヨーダをスマホで撮影しました。
順調だったのはここまででした。
他の乗客も乗り込んできて周りの座席に着席し始めると慣れない環境を察知して赤ちゃんが大泣きしはじめました。そして緊張からなのかすぐにウンチもしてしまったのでおむつ交換をしに化粧室へと向かいました。
化粧室の狭いおむつ交換台に寝かせると赤ちゃんは怖がって更に激しく泣き始めました。挙句の果てにおむつから漏れていたため激しく泣く中で服まで着替えさせなければなりませんでした。
こうなるともう為す術もありません。離陸の際にミルクを飲まそうとしても泣きじゃくって飲んでもくれません。
周りの乗客もずっと泣き続ける赤ちゃんをジロジロと見てきます。直接文句を言ってくる人はいませんでしたが妻が言うには睨んできた乗客も何名かいたとのことです。
シートベルト着用サインが消えるとすぐに赤ちゃんを抱いて席を立ちギャレー横のスペースへと向かい、そのまま赤ちゃんをあやし続けました。
ギャレーには幾度となくCAさんが出入りしていましたが、ただでさえ忙しい羽田ー伊丹便で大泣きする赤ちゃんを抱く父親に声をかけても自分の首を締めるだけだとわかっているので誰一人として声をかけてくることはありませんでした。
結局、着陸態勢に入るまでずっとギャレーのそばで赤ちゃんをあやし続けました。
僕が必死に赤ちゃんをあやしている間、妻は何をしていたかというと、妻は乗り物酔いが酷く飛行機でも酔ってしまうので座席でぐったりしていました。僕は赤ちゃんをあやしつつ妻の様子も見つつと、地獄のようなフライトでした。
飛行機を降りると家族3人疲労困憊で空港のベンチに1時間近く座り込んでいました。
帰りの便では赤ちゃんも泣くことなく過ごせました
地獄のようなフライトを終えてぐったりでしたが、大阪では『コートヤード新大阪ステーション』に宿泊して楽しく過ごしました。
大阪で2日間過ごした後には、また飛行機に乗って東京へと戻らなければいけません。
妻は本気で飛行機をキャンセルして新幹線で帰ろうと言っていましたが当初の予定どおり帰りも飛行機を使いました。
帰りの便でも座席に着いた瞬間にウンチをしてしまい、更に化粧室でおむつを外すとまたも背中から漏れているというデジャヴに遭遇してしまいました。
また行きと同じくずっと泣き続けることになるのを想像すると妻の言葉に従って新幹線で帰るべきだったと後悔しましたが、帰りは妻も酔い止め薬を飲んで協力してくれました。その甲斐もあって帰りは最初だけ多少ぐずりましたが泣くこともありませんでした。
通路を挟んで隣の席に座っていたスーツ姿の男性に何度も笑いかけてもらって赤ちゃんもご満悦でした。
公衆の面前で赤ちゃんに笑いかけるという行為は男性にとってはなかなか照れくさくて勇気がいることですが、こうして赤ちゃんに笑いかけてくれるのは赤ちゃんが喜ぶだけでなく、赤ちゃんを連れている親も安心するためすごくありがたいです。
まとめ
飛行機に赤ちゃんを乗せるときはパパもママも赤ちゃんが泣いたりぐずったりして周りの乗客に迷惑をかけてしまうのではと心配してしまいます。
その心配を少しでも減らすために搭乗前に授乳をする、赤ちゃんを遊ばせて疲れさせるなど対策もいくつかあります。しかし赤ちゃんは人間でロボットではないので必ず上手くいくわけではありません。実際うちの赤ちゃんの初フライトは散々でした。
できる対策はした上でそれでも泣いたら仕方がない、くらいの考えでリラックスして飛行機に乗るようにしましょう。パパやママが緊張したり心配したりすると赤ちゃんにも伝わってしまい逆効果になってしまいます。
乳幼児の時期は安く飛行機に乗ることもできますし、赤ちゃんとの楽しい旅行は思い出にも残りますよ。
ただし、どんな理由があっても赤ちゃんのことを最優先に考えてあげて赤ちゃんの負担にならないようにしてあげましょうね。
今では赤ちゃんも飛行機での移動に慣れてきたのか僕と2人っきりで旅行ができるまでになっています。