少し前のことになりますがまだ1歳にも満たない0歳の子どもを連れて1泊2日で家族旅行をしてきました。
普通は赤ちゃんや小さな子どもを連れた家族旅行というとパパ、ママ、子どもが揃っての旅行をイメージするかと思いますが、今回の旅行は赤ちゃんとパパである僕の2人っきりの旅行です。日帰り旅行ならまだしも泊まりでの旅行ですがママは同行せずにおうちで留守番です。
旅行の時点ではうちの子はまだ生後9ヶ月でした。言葉をしゃべることもできなければ自分で立って歩くこともできません。そんな0歳の赤ちゃんとの旅行にママがいなくて大丈夫なのかと思う人もいるかもしれませんが、実際にやってみるとママがいなくても全く問題ありませんでした。
パパと赤ちゃん2人っきりでの旅行、しかも宿泊を伴うケースは滅多にないかと思いますが、父親としての意識がより高くなると同時に親子の信頼関係をより強固なものにできてすごくおすすめだと感じたので、赤ちゃんに限らず小さな子どもを持つパパにはぜひ2人旅に挑戦してみることをおすすめしたいです。
特に陸マイラーのパパは貯めたマイルを使って飛行機で子どもと2人っきりの旅行などいかがでしょうか。
パパが赤ちゃんと2人っきりで旅行をしようと思ったキッカケ
まだ自分で歩くことすらできない赤ちゃんと2人っきりで旅行をしてみようと思ったキッカケは大きく2つあります。
ひとつは妻が赤ちゃんと離れる日をつくってあげるためです。そしてもうひとつは、パパと子どもが2人で旅行をするということを家庭内でごく普通のイベントとして定着させるためです。
妻が子どもと一緒にいない日をつくる
男性の育休取得も徐々に増えているとはいえ、子どもが産まれてもパパは仕事を続け、ママは子どもが保育園や幼稚園に通いはじめるまでは育児に専念するというパターンがまだまだ一般的だと思います。うちも日中は僕が会社で働いて妻が家で子どもの面倒をみてくれています。
毎日育児をしているママは24時間ずっと子どもと向き合わなければいけません。ママがどんなに子どもを好きだとしても自分の時間がほしいと感じたりたまには息抜きをしたいと思うのは自然でしょう。
うちは平日は僕が仕事を終えて帰宅してから寝るまでの間は妻と育児を交代して僕が子どもの面倒をみるようにしています。週末はママが育児を休む日にして僕がメインで育児をし、妻を家に残して僕と子どもが2人っきりで出掛けたり逆に妻だけが出掛けてきたりと、妻が一人になれる時間を積極的につくるようにもしています。
それでもママはあまり気が休まることはありません。僕が育児を交代しても子どもがそばにいるとママは子どものことが気になって仕方がないのです。
だから子どもと2人っきりで旅行をすることで妻が子どもと離れる日をつくろうと考えました。
パパが子どもと旅行に行くことを家庭内でごく普通のイベントにする
僕は本来一人旅が大好きなのですが、家族揃っての旅行も好きですし、子どもと2人での旅行も沢山したいと思っていました。
今はまだ赤ちゃんですが、この先子どもが成長すればキャンプに行ったり登山をしたり、スキューバダイビングをしたりと、子どもと一緒にやりたいことも沢山あるし行きたい場所も国内外問わず沢山あります。
家族全員で行ければ一番いいのですが、妻とは好みも違うのでみんなで一緒に行くとなると難しい場面もあります。例えばキャンプは暑いから絶対に嫌だと言いますし海が苦手なので一緒にスキューバダイビングをすることも無理です。
だから妻も一緒に旅行をするとなると僕が子どもと一緒にやりたいことを沢山諦めなければなりません。だったら妻には申し訳ないですが子どもと2人っきりで旅行をする機会を沢山つくろうと決めました。
そのため、今のうちからパパと子どもの2人旅を習慣化させて家庭内でのイベントとして定着させてしまえば、子どもを連れて急に旅行に出掛けても何も言われないようになると考えたわけです。
結婚して子どもができてからなかなか旅行もできなくなっているので旅行の機会を増やしたいところですし、子どもと2人ならしばらくは使うマイルも少なくて済みます。
妻は子どもと2人っきりでの旅行には大賛成してくれました。でも2人旅ばかりだと妻がヘソを曲げてしまうので家族全員での旅行もするつもりですよ。
ちなみに、子どもの物心が付いてから旅行に誘って断られるという可能性もゼロではありませんが、それは悲しすぎるため現時点では考慮していません。
旅先を選ぶ際に考慮したこと
赤ちゃんを連れて旅行をする際に以下のこと考慮して行き先を決めました。陸マイラーたるもの当然行き先は飛行機に乗っていけるところです。
- お昼前後の便で行けて夕方までに帰ってこれる便があること
- 長距離路線ではないこと
- 人気路線ではないこと
- 市街地に宿泊できること
- 空港からホテルまでのアクセスが楽なこと
自分だけなら好きなところへ行けばいいのですが、赤ちゃんが一緒なので制約をつけて行き先を選びました。
お昼前後の便で行けて夕方までに帰ってこれる便があること
ひとり旅であれば少しでも長く旅行時間を作るために早朝便で行って最終便で戻ってきたいところですが、赤ちゃんがいるとそういうわけにはいきません。赤ちゃんの生活リズムをなるべく崩さなくて済むように気をつけました。
うちの子どもは毎朝ある程度決まった時間に目を覚まして決まった時間に離乳食を口にしているので、それが終わってから家を出て機内でちょうどお昼寝ができそうな便を探しました。
そして帰りの便はあまり遅くならず、普段の入浴時間に間に合うよう夕方までに戻ってこれる便を探しました。
長距離路線ではないこと
あまりに長距離路線だと赤ちゃんが疲れて機内でグズったりすると大変なので長距離路線は避けるようにしました。機内でぐずって大泣きされたトラウマがありますからね。
そのため海外は対象から外し、東京から離れている九州や沖縄は避けることにしました。
人気路線ではないこと
これも赤ちゃんが機内で大泣きした場合に備えてのことですが、なるべく人気路線を避けるようにしました。
伊丹行きや福岡行きなど機内が満席となるような人気路線だと赤ちゃんが泣いた場合多くの人に迷惑をかけることになりますし人が多いと赤ちゃんへのストレスにもなりかねません。
赤ちゃんを連れていると周りに迷惑をかけてしまわないかと気苦労が多いので、空いている路線で隣が空席になっているとそれだけで気持ちが楽になりますからね。
市街地に宿泊できること
大切な赤ちゃんと一緒の旅行なので赤ちゃんが体調を崩したり怪我をしたとき近くに病院が無いと困ります。
そのため必ずしも市街地である必要は無いのですが万が一のときに備えて離島や周りに何も無い地域に宿泊することは避けました。
空港からホテルまでのアクセスが楽なこと
飛行機に乗っている時間も赤ちゃんが泣き出さないか心配になりますが、空港からホテルに行くまでに利用する交通機関も同じように気苦労が多いものです。そのため空港からホテルまで30分以内でアクセスできる地域を探しました。
赤ちゃんと一緒のため観光地をいくつも巡るような旅行にはならないので行動範囲も狭くホテル周辺で過ごすことになります。そのため観光スポットへのアクセスについてはほぼ考慮しませんでした。
最終的に旅先として選んだ場所
上記のことを踏まえて赤ちゃんとの旅行先を考えた結果、愛媛県松山市に行くことにしました。
松山のほかには富山や秋田も候補にしていましたが最終的にはその中で自分が一番行きたいと思った場所にしてしまいました。
フライト時間も約1時間半と短いわけではないですし、行きも帰りも機内はほぼ満席の状態だったので上記の条件を満たしていませんでしたが、往復とも事前アップグレードでプレミアムクラスだったので広々とした機内で子どももあまりストレスを感じなかったようです。
新ルールになったANA国内線の事前アップグレードでプレミアムクラスに搭乗
松山で泊まったのは『松山全日空ホテル』というホテルでしたが、空港からのリムジンバスを降りてすぐの場所にあったので非常に便利でした。
松山城へもアクセス抜群の『松山全日空ホテル』宿泊レビュー
松山全日空ホテルの近くには松山城もあったので子どもと2人っきりでロープウェイに乗って行ったのもいい思い出になりました。
赤ちゃんと2人で旅行する以前に気をつけておくこと
ここまで読んで自分も赤ちゃんと一緒に旅行をしてみたいと思ってくれたパパがいたら嬉しい限りですが、行動に移すのはちょっと待ってください。本当に自分が赤ちゃんと2人で旅行ができるのかよく考えてみる必要があります。
赤ちゃんと2人っきりで旅行をするには赤ちゃんと信頼関係ができていること、そして赤ちゃんが起きてから寝るまでの間、一切ママに頼らず赤ちゃんの世話をできるということが最低限の条件になります。
赤ちゃんとの信頼関係というと大袈裟ですが普段から育児をして少なくともママがいなくても泣かれないだけの関係は構築しておかないと旅先で地獄をみることになるでしょう。
また、赤ちゃんのご飯、おむつ交換、遊び相手、入浴、着替え、寝かしつけなど、何一つママに頼ることなくできるようになっておく必要があります。
自分では育児をしているつもりでも、赤ちゃんが泣いたり機嫌が悪くなったらママに頼ったりしていませんか?赤ちゃんをお風呂に入れてあげていても、お風呂から取り上げて身体を拭いたり服を着せたりするのはママだったりしませんか?そういう人は朝から晩まで自分一人で赤ちゃんの面倒を見てあげられるかしっかりと想像しておかないと赤ちゃんをかわいそうな目に合わせてしまうかもしれませんよ。
しかも旅先ではいつも一緒にいてくれるママがいないので寂しがったり、いつもと違う部屋で過ごすため興奮して眠れなくなったりと、赤ちゃんも普段と違う環境で多少なりともストレスを感じるはずなので、旅先でのパパの責任は重大です。
あとは、旅行といっても同行者は赤ちゃんなので観光スポットなど自分が行きたい場所の予定を詰め込んだ行程を組むのは赤ちゃんを疲れさせるだけですのでやめておきましょう。大人からすると物足りないかもしれませんがホテルの近くを赤ちゃんと散歩したり公園でのんびりするだけでも十分思い出に残る旅行になるはずです。
赤ちゃんと2人で旅行した際の荷物
赤ちゃんと一緒に旅行をする際には極力荷物を減らしたかったのでベビーカーは持っていかず抱っこ紐に赤ちゃんを入れて行きました。ママだと体力的にベビーカー無しだと辛いと思いますが男ならなんとかなります。
ベビーカーは赤ちゃんを抱っこしなくていいので楽ですが旅行では大きくて邪魔になりますし、なにより電車や空港など人が多い場所での移動が億劫です。
ずっと抱っこ紐に入れて行動していたわけではなく、電車に乗るときと赤ちゃんが眠くなったときは抱っこ紐に入れてそれ以外のときは普通に抱っこしていました。そのため両手が空くようキャリーケースは利用せずバックパックにパパと赤ちゃんの荷物を放り込んで行きました。1泊なのでパパの荷物は下着だけでした。
赤ちゃんの荷物は、おむつ、おしりふき、洋服、肌着、粉ミルク、哺乳瓶、離乳食、おやつ、おもちゃ、絵本などです。おむつ、洋服や肌着などは汚れることを考えて多めに持って行った方がいいです。あとは保険証や母子手帳も忘れないようにしましょう。
うちは混合育児だったので粉ミルクを持って行きましたが『ほほえみ らくらくキューブ』だとキューブタイプでお湯さえあれば外出先でも簡単にミルクが作れるので便利です。完全母乳の赤ちゃんだと旅行の前から徐々に粉ミルクに慣れさせておく必要があるかもしれません。
離乳食は旅行先で作るには無理がありますし飛行機内でも食べられるよう市販のものを持参しました。メーカーによってはスプーンなどが付いていない場合もあるので念の為スプーンも持っておいた方がいいでしょう。
また、赤ちゃんが機内などでグズったときに気をすらすために赤ちゃんのおやつも用意しておくと安心です。その際は普段から赤ちゃんが口にしているものを用意しておかないと、いざあげようとしても食べてくれないことがあるので注意しましょう。
赤ちゃんにお茶やりんごジュースなどをあげるときに便利なのがストロータイプのコップです。
それから、おむつを処理するための袋も用意しておいた方がいいでしょう。小さな袋はおむつ以外にも着替えさせた赤ちゃんの服を入れたりできるのでマストアイテムです。
あとは赤ちゃんが好きなオモチャや絵本も用意しておいてあげるといいでしょう。うちは赤ちゃんがグズったときもすぐに泣き止んでくれる絵本を持って行きました。
赤ちゃんへの読み聞かせや赤ちゃんが泣き止まない場合に読んであげると効果抜群の魔法の絵本『じゃあじゃあびりびり』
子どもと2人っきりで旅行をしてみて
イクメンという言葉もでき男性の育児参加が一般的になっているかと思いきや、土日にパパ不在で子どもを連れたママの姿を見かけることも多いのが実情です。
育児は親の義務であり親の「権利」でもあると思っています。仕事を辞めて育児に専念してくれているママには敵いませんが、育児の時間を少しでも多く作ろうと努力をしています。ママの負担を少しでも減らすためということもありますが一番の理由は子育てが楽しすぎるからです。こんな楽しい権利を自ら手放す父親はバカなのかとさえ思ってしまいます。
もちろん楽しいことばかりではなく、赤ちゃんには振り回されっぱなしですし仕事で疲れて辛いときもあります。でも子どもが向けてくれる笑顔を見るだけでそんなのはチャラになりますし、何より子どもの成長をみることができない方が辛いです。
普段こんな感じで子どもと接しているのである程度の信頼関係はできていると思っていましたが、機内で子どもが泣き止まなかったらどうしようとか、ママがいない寂しさで夜通し泣いてしまったらどうしようとか、実際に旅行をしてみるまでは不安もありました。
でも幸いなことにほぼ取り越し苦労に終わり子どもも終始楽しそうにしてくれていました。僕は子どもが楽しんでくれたその何倍も楽しむことができました。
たった1泊2日の旅行でしたが父親としての意識が高まり、ママがいなくても大丈夫だという自信にも繋がりました。そして子どもの意外な一面に気づかされたりといい事づくしの旅行でした。
暑い夏が終わったらまた子どもと2人っきりで旅行をしようかな。