以前に八重山諸島にある大好きな島として竹富島を紹介しました。
僕が竹富島に負けず劣らず好きな島に波照間島があります。今回はその波照間島について紹介しようと思います。
波照間島
波照間島は沖縄の八重山諸島にある小さな島です。
波照間島は人口約500人で、石垣島から高速船で1時間ほどの場所にあります。石垣島と波照間島を結ぶ便は1日3本ずつ出ており、波照間島は八重山諸島の中では与那国島に次いでアクセスしにくいです。
波照間島という名前の由来には諸説あるそうですが、「果てのうるま(珊瑚)」から波照間と名付けられたそうです。
波照間島は「日本最南端の有人島」としても有名です。日本最南端の島は日本の排他的経済水域の要でもある沖ノ鳥島ですが、沖ノ鳥島は無人島ですから間違ってはいないですね。
そして、後ほど触れますが波照間島の魅力はなんといっても”ハテルマブルー”とも呼ばれる海と満天の星です。
波照間島への高速船に要注意
石垣島と波照間島とを繋ぐ高速船は時になかなか大変です。波照間島が石垣島から高速船で1時間だということは説明しましたが、大変なのは時間がかかることが理由ではありません。めちゃくちゃ揺れるからです。
大しけの日(強風などで海上が荒れている日)に乗ったりすると高速船はトビウオのように何度も宙に浮き、ドン!ドン!ドン!と大きな音を立て船底を海面にぶつけながら進むことになります。
以前、乗客が高速船の揺れで腰を骨折するという事故が起こったこともあり、今は高速船が新しくなりました。新しい高速船になったことによってだいぶ揺れなくなりましたがそれでも高速船の揺れがつらいという人も多いです。
揺れは気合と酔い止め薬で何とかしてもらうとして、揺れよりも気をつけなければならないことに欠航があります。波照間島に行く便が欠航するのならまだしも、波照間から帰る便が欠航して石垣島に戻れなくなり、飛行機にも乗れなくなると目も当てられません。
欠航が多いシーズンとオススメのシーズン
波照間島の高速船はもともと欠航することが多いのですが、特に欠航が多くなる以下の時期はなるべく避けた方がいいでしょう。
- 台風シーズン
- 梅雨明け直後(カーチバイという強い南風が吹きます)
- 10月以降(ミーニシという強い北風が吹きます)
欠航リスクを極力回避する方法
波照間島に行ける時期が限られており欠航の多い時期にしか行けない人もいるでしょうし、そもそもオススメのシーズンに行ったとしても欠航するリスクはあります。
波照間島に行くのであれば2〜3日欠航しても島でのんびり過ごすから大丈夫だといえるくらい余裕のあるスケジュールを組むのがベストですが、そんなことができる人はなかなかいないでしょう。
どうしても欠航されると困るときは、毎週火木土と第2・第4金曜日に貨物船が出ているので、貨物船が出る日を移動日にしておけばいいと思います。高速船が欠航しても貨物船は運航しているケースが多いので、万が一高速船が欠航した場合でも貨物船で移動できる可能性があるためです。
貨物船は石垣島と波照間島を2時間かけて移動します。高速船に比べると倍の時間がかかりますが、反面、料金は半分で済みます。交通費節約のため、最初から高速船を利用せずに貨物船で移動する人たちもいるようです。
ただし、貨物船は高速船よりも揺れが激しく、ゲロ船とも呼ばれていますので酔い止め薬は持参しておきましょう。
運航状況メール配信サービスへの登録はマスト
八重山諸島を結ぶ定期船を運航している会社のひとつに安永観光があります。
安永観光のWEBサイトから当日の運航状況を確認することもできますが、運航状況メール配信サービスに登録しておけば毎朝運航状況をメールで受信できて便利です。
竹富島などにしか行かないのであれば不要ですが波照間島に行くのであれば必ず登録しておきましょう。
実は波照間島には空港もあります
波照間島には波照間空港という空港があります。
10年ほど前までは就航路線がありましたが残念ながら今は使われていません。そしてようやく2015年から第一航空による就航が予定されていたのですが、どうやら別の空港での事故により就航延期となっていたようです。
第一航空㈱(大阪)のプロペラ機DHC6—400型が28日午前、粟国空港に着陸した際に滑走路を外れてフェンスに衝突した事故を受け、同社では12月に就航を予定していた波照間石垣線と石垣多良間線の運航開始が延期する見通しとなった。新たな就航時期は未定。
波照間石垣線と石垣多良間線に就航予定だった機体は事故を起こした機体と同型機。事故原因が究明されるまで使用できない可能性があり、乗務員の訓練などが遅れることが予想されることから、両路線の運航開始も延期の見通し。
波照間島と石垣島を結ぶ路線が就航した際には絶対乗ってみようと思います。
波照間島といえばハテルマブルーのニシ浜
竹富島にはコンドイビーチという綺麗なビーチがありますが、波照間島にはニシ浜というコンドイビーチ以上に綺麗なビーチがあります。TripAdviserか何かで日本一のビーチに選ばれたこともあり本当に綺麗です。
ニシ浜は波照間島の北にあります。北にあるのにニシ浜という名なのは八重山地方の方言で北のことをニシというからだそうです。
波照間島の集落からビーチに向かって自転車を漕ぐと、ビーチの手前で下り坂に差し当ります。この坂を下っていくとビックリするほどキレイな青い海が視界に入ってきます。ここがニシ浜です。
坂を下りきるとニシ浜のビーチがあるのですが、はじめてニシ浜を訪れる人は坂を下る途中で目の前に広がる光景に感動して必ずといっていいほど皆この坂の途中で一度立ち止まります。
ニシ浜の海の色はハテルマブルーと呼ばれていてエメラルドグリーンの海が永遠と広がっています。
そして、ニシ浜ではシュノーケリングもできます。透明度の高い遠浅の海に色とりどりの珊瑚が広がっています。スキューバダイビングでなければ見れないような海の景色がここニシ浜ではシュノーケリングでも見ることができます。僕は1人でも沖まで出てシュノーケリングしてしまいますが、1人でのシュノーケリングはとても危険なので必ず2人以上で行動するようにしましょう。
100メートルほど沖まで出るとクマノミがたくさんいるスポットがありウミガメに出くわすこともしょっちゅうです。クマノミにもウミガメにも珊瑚にも手を触れないようにしてくださいね。
ニシ浜でシュノーケリングをする度にシュノーケリングでこんなにキレイな海を見れるのであれば、もうスキューバダイビングなんてしなくていいかもと波照間島に行く度に思ってしまいます。
波照間島にも宿泊すべき理由
前回の竹富島についての記事でも島に泊まる方がいいと書きましたが、欠航リスクはありますが波照間島も行くのであれば絶対に泊まった方がいいです。
満点の星が出迎えてくれる
波照間島に宿泊すべき理由は、何と言っても夜の波照間島では満天の星が出迎えてくれるからです。
波照間島には星空観測タワーという施設があり夜には星空観測ツアーが行われていて館長のガイドを楽しむことができます。だいたいどこの宿でもツアーに行くかきかれますので参加されることをオススメします。
ガイドでは星空観測タワーの館長により笑いを交えながら星の説明が行われます。 タワーの屋上で実際の空を眺めながら説明してくれるのですが、館長が心の底から星と波照間島を愛しているのが伝わるので説明に惹きこまれてしまいます。
幻の泡盛「泡波」を飲めるチャンス
波照間島には波照間島酒造という酒蔵があり、そこでは「泡波」をいう泡盛を造っています。
この泡波、もともとは波照間島の島民が飲むために造られているため生産量がとても少ないです。そのためなかなか入手することができず幻の泡盛とも言われています。
今ではインターネットなどでも売られているため随分値崩れしていますが、昔は波照間島で500円で売られているものが石垣島では1,000円になり、沖縄本島では5,000円になり、沖縄県外に出るときには10,000円になるなどと言われていました。
運が良ければ波照間島の共同売店でも手に入れることができ、以前は泡波を買うためだけに何日も波照間島に滞在して毎日島の売店を巡っている人などにもよく遭遇したものです。
ミニボトル、2合瓶、3合瓶はあれば観光客にも売ってくれるため我が家にもたくさんありますが、一升瓶は島民にしか販売されていません。升升半升(4.5L)に至っては島民でもなかなか入手できないようです。
泡波の味はあっさりしていてすごく飲みやすいです。アルコール度数は30度なのですがお酒に弱い僕でもぐびぐび飲めてしまうほどです。そして泡波は波照間島の水で割って飲むと美味しいとよく言われていますのでぜひ本場の波照間島で飲んでみてください。ちなみに石垣島の水とは合わないのだとか。
波照間島でもゆんたくが楽しい
竹富島の記事でも竹富島に泊まった方がいい理由のひとつとして「ゆんたく」があることを挙げました。ゆんたくとは沖縄の方言で「おしゃべり」を意味します。
ゆんたくは竹富島や波照間島に限らず沖縄の民宿では一般的です。波照間島のゆんたくでは「泡盛」を無料で提供してくれる民宿もあるので幻の泡盛を飲めるチャンスです。
また、波照間島でのゆんたくでは島民も参加したり、なぜか途中から島民の家にお邪魔して飲んだりと、東京では絶対にできないであろうことを体験できたりもします。
マニアの間で超有名な民宿もあります
波照間島にはマニアの間では超有名で、日本一汚い民宿とも言われる「たましろ」という民宿もあります。
布団はシミだらけで部屋には虫の死骸が転がっているらしいですが、それでも常連客の多い人気宿になっています。僕は泊まる勇気が無いのですがSPGやマリオットに泊まり飽きた人にはぜひ泊まってみてほしい民宿です。
たましろでも「ゆんたく」があるのですが、たましろに泊まる人は変人が多いので「ゆんたく」がとても面白いと評判だそうです。
波照間島に星を見に行くときに注意すること
泡波やたましろなど話がそれてしまいましたが星の話に戻りましょう。波照間島に泊まって星を見る際に注意しておいた方がいいことがいくつかあります。
新月の日を選ぶこと
まず、重要なのは波照間島に泊まる日です。いつでも波照間島にキレイな星空が見えるわけではありません。満天の星を見るために最も重要なことは、月明かりに邪魔されない日を選ぶということです。つまり、「新月」近くの日を選んで波照間島に泊まることが重要になります。
そうは言っても必ずしも新月近くに日程を合わせることができるとは限りません。そんな場合は、「満月」の日前後を避けるようにしましょう。さすがに波照間島といえども満月の日に満天の星を見ることはできません。このことを知らず、ただただ星見たさに波照間島に泊まる人もかなり多いです。
例えば下の表でみると29日が新月にあたります。29日前後に泊まると月が出ないため満天の星を見ることができる確率が高くなります。逆に、14日の満月前後となる10日〜17日あたりは絶対に避けた方がいいでしょう。
当然、新月の日に行っても雨が降ってしまったり曇って星が見えないということは起こりえます。でも、旅行の予約をするのは波照間島に行く数ヶ月も前でしょ?予約をする際に数ヶ月先の天気など気にしても意味がありません。 しかし、月齢は100年先でもわかるので予約するときには波照間島に行く日の月例をしっかりと調べておきましょう。
南十字星を見たいなら4月〜5月がオススメ
波照間島からは南十字星も見ることができます。石垣島など他の離島からも見ることはできるのですが、人工の光が少ない波照間島の方が観測条件は整っていると思います。
そしてこの南十字星は12月〜6月にかけて見ることができるのですが、そのなかでも4月〜5月にかけては星が見えやすい時期なのだそうです。高速船の説明の際にも4月〜5月がオススメの時期だといいましたがこの頃の波照間島は本当に最高ですよ。
ただ、南半球のオーストラリアでは1年中見える星なので陸マイラー的にはわざわざ波照間島まで行くことなく、特典航空券を予約してオーストラリアで見た方がてっとり早いかもしれませんね。
路上に寝転んで星を見るのはやめましょう
最後は自戒の念もこめて書きますが、僕も昔はよく宿で仲良くなった人と夜中に道に寝転んで星を眺めて語り合ったりもしました。波照間島は、恥ずかしげもなく大人の青春ができる島なのです。
ただでさえ人の少ない波照間島で、夜中に、しかも星を見るために集落から外れた場所を選んでるため人はおろか車も通りません。
そのため誰もこないだろうと路上に寝転んでしまうのですが、ごく稀に車が通ることがあります。観光客のマナーが悪いと思われてしまいかねませんし、一歩間違えると事故につながりますので路上に寝転んで星を見るのは絶対にやめましょう。
波照間島の魅力は多すぎて語りつくせませんし、秘密にしておきたいこともたくさんありますが、本当に本当に素晴らしい島なので、機会があればぜひ訪れてみてください。