世界報道写真展2018に行ってきた感想。世界の「いま」を写真で観れる貴重な機会

世界報道写真展2018
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世界最大級の写真展といわれる『世界報道写真展2018』(WORLD PRESS PHOTO 18)に今年も行ってきました。

昨年は妻の出産で行けなかったのですが今年展示されていた写真も考えさせられる写真が多くありました。

世界の現状を写真で伝える「世界報道写真展」はその名の通り世界中から選ばれた報道写真が展示されており、写真に興味がない人にもおすすめできる写真展なのでぜひ足を運んでみてください。

目次

世界報道写真展とは

世界報道写真展は1955年にオランダのアムステルダムで世界報道写真財団が発足したことによって始まった報道写真の展覧会です。

毎年世界報道写真コンテストが開かれ、国際審査員団によって選ばれた入賞作品のみが世界報道写真展の作品として展示されることになります。そしてこの世界報道写真展は40カ国約100会場で開催され、来場者数は400万人にも上る世界最大規模の写真展です。

世界報道写真展で展示される写真は、世界中の報道写真・ドキュメンタリー写真の中から選ばれた写真ばかりなので、世界中で起こっている紛争や環境問題など我々が普段目にすることのない世界の現状を伝える写真を観ることができる貴重な機会です。

今回で61回目を迎える世界報道写真展には4,500人を超す写真家が参加し73,044点の応募があったそうです。

今年は、「スポットニュース」、「人々」、「一般ニュース」、「自然」、「スポーツ」、「長期取材」、「環境」、「現代社会の問題」の部といった8部門において42人の受賞が決まり、世界報道写真展で展示されることとなりました。

名称WORLD PRESS PHOTO 18
世界報道写真展 2018
主催世界報道写真財団 / 朝日新聞社 / 阪神電気鉄道(大阪)
立命館大学国際平和ミュージアム (京都、滋賀)
立命館アジア太平洋大学 (大分)
共催東京都写真美術館(東京)
後援オランダ王国大使館 / 公益社団法人 日本写真協会
公益社団法人 日本写真家協会 / 全日本写真連盟
協力特定非営利活動法人 国境なき医師団日本(東京)
協賛キヤノンマーケティングジャパン株式会社
ゲッティイメージズジャパン株式会社

人の死体や血、テロや暴力の現場など、思わず目を背けたくなる写真も少なくないのですが、日本にいると考えられないような世界の実状について写真を通して知ることができます。

世界報道写真展を観終わった後は重い気持ちになってしまいますが写真に関心がない人でも足を運んでみる価値のある写真展です。

世界報道写真展2018の開催スケジュール

世界報道写真展2018の開催スケジュール

世界報道写真展2018の開催スケジュールは以下のとおりとなっています。

開催期間開催場所
2018年6月9日(土)~8月5日(日)東京都写真美術館(東京都)
2018年8月7日(火)~8月16日(木)ハービスHALL(大阪府)
2018年9月16日(日)~10月3日(水)立命館アジア太平洋大学(大分県)
2018年10月6日(土)~10月28日(日)立命館大学国際平和ミュージアム(京都府)
2018年10月30日(火)~11月11日(日)立命館大学 びわこ・くさつキャンパス(滋賀県)

各地の概要をもう少し詳しく載せておきます。

2018/6/9(土) 〜 8/5月5(日) 東京都写真美術館(東京)

世界報道写真展は東京から開催がスタートします。東京の会場は恵比寿ガーデンプレイスにある東京都写真美術館です。写真美術館に向かう通路の壁にはロベール・ドアノーや植田正治さんの写真が大きく載せてあり、写真好きにはたまらない美術館です。

東京都写真美術館

数年前に東京都写真美術館は約2年にわたる大規模改修工事を行っていたため世界報道写真展が池袋サンシャインで開催された年もありましたが、やはり世界報道写真展は東京都写真美術館がいいです。

  • 会場:東京都写真美術館(地下1階展示室)
  • 住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
  • アクセス:JR恵比寿駅東口より徒歩約7分、東京メトロ恵比寿駅より徒歩約10分
  • 休館日:毎週月曜日(但し7月16日(月)開館、翌17日(火)休館)
  • 開館時間:10:00~18:00(木・金は20:00/但し7月19・20・26・27日、8月2日・3日は21:00まで)
    ※入館は閉館の30分前まで

2018/8/7(火) ~ 8/16(木) ハービスHALL(大阪)

大阪ではハービスHALLで開催されます。すぐそばにはザ・リッツ・カールトン大阪もありますのでSPGアメックスホルダーは宿泊ついでに世界報道写真展に足を運んでみてはいかがでしょうか。

  • 会場:ハービスHALL (ハービスOSAKA B2F)
  • 住所:大阪市北区梅田2-5-25 ハービスOSAKA B2F
  • 休館日:期中無休
  • 開館時間:11:00~20:00(入館は閉館30分前まで)

2018/9/16(日) ~ 10/3(水) 立命館アジア太平洋大学(大分)

立命館アジア太平洋大学も主催のため大分でも開催されます。

  • 会場:立命館アジア太平洋大学
  • 住所:大分県別府市十文字原1-1
  • 休館日:会期中無休
  • 開館時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)

2018/10/6(土) ~ 10/28(日) 立命館大学国際平和ミュージアム(京都)

京都では立命館大学国際平和ミュージアムで開催されます。

  • 会場:立命館大学国際平和ミュージアム
  • 住所:京都市北区等持院北町56-1
  • 休館日:月曜日
  • 開館時間:9:30~16:30 ※入館は閉館の30分前まで

2018/10/30(火) ~ 11/11(日) 立命館大学 びわこ・くさつキャンパス(滋賀)

滋賀は立命館大学 びわこ・くさつキャンパスで開催されます。

  • 会場:立命館大学びわこ・くさつキャンパス エポックホール
  • 住所:滋賀県草津市野路東1丁目1-1
  • 休館日:会期中無休
  • 開館時間:9:30~16:30(入場は16:00まで)

関西は大阪、京都、滋賀と3ヶ所で開催されるので足を運びやすいですね。

世界報道写真展2018の入選写真

世界報道写真展に行ったことがない人は実際にどのような写真が展示されているか気になりますよね。

冒頭でも紹介しましたが今年は「スポットニュース」、「人々」、「一般ニュース」、「自然」、「スポーツ」、「長期取材」、「環境」、「現代社会の問題」の8部門がありますが、世界報道写真展のオフィシャルサイトに掲載されている各部門の写真をご紹介します。写真はすべて世界報道写真展オフィシャルサイトから借用しています。

世界報道写真展:スポットニュースの部

世界報道写真展2018ロナルド・シュミットの写真

<単写真1位 ロナルド・シュミット>
ベネスエラのカラカスで、ニコラス・マドゥロ大統領への抗議行動中に機動隊との激しい衝突が起こり、火だるまになるデモ参加者

この写真が今年の世界報道写真大賞を受賞しています。

世界報道写真展:人々の部

世界報道写真展2018

<組写真1位 アダム・ファーガソン>
ナイジェリアで「ボコ・ハラム」の戦闘員に誘拐された少女の肖像。爆発物を身体に縛りつけられ、自爆するよう命じられたが、逃げ出し、助けを得ることができた。

世界報道写真展:一般ニュースの部

世界報道写真展2018イヴォール・プリケットの写真

<組写真1位 イヴォール・プリケット>
イラク軍特殊部隊の兵士によって手当てをうける男の子。イスラム国(ISIS)からのモスル奪還をめぐる戦闘では数千におよぶ市民が殺され、街の大部分が廃墟と化した。

世界報道写真展:自然の部

世界報道写真展2018トマス・P・ペシャクの写真

<単写真2位 トマス・P・ペシャク>
インド洋に浮かぶ南ア領南極地域のマリオン島で、岩に覆われた海岸線を通り抜ける行動でその名にこたえるイワトビペンギン。

世界報道写真展:スポーツの部

世界報道写真展2018

<組写真1位 アラン・シュローダー>
インドネシア、スンバワ島の伝統、マエン・ジャラン競馬では、子供の騎手たち(5〜10歳)が裸足のまま防具もほとんど付けずに小さな裸馬に乗る。

世界報道写真展:長期取材の部

世界報道写真展2018

<組写真2位 ファウスト・ポダヴィーニ>
エチオピアのオモ川に建設されたギベ第3ダムはオモ渓谷沿いに住む人々だけでなく、下流のケニア領トゥルカナ湖周辺の住民にも影響を与えている。オモ渓谷沿いでは八つの異なる民族が食料の確保をオモ川に依存し、環境との微妙なバランスを維持しながら生活している。エチオピア政府は、このダムを水力発電による貴重な電力源、大規模農業用水の供給源、および観光名所として重視しており、環境に悪影響を及ぼすという主張に異議を唱えている。

世界報道写真展:環境の部

世界報道写真展2018

<単写真1位 ニール・アルドリッジ>
麻酔をかけられ目隠しをされた若い白サイ。密猟者たちからの保護のために南アフリカからボツワナのオカバンゴデルタに移され、解放されるのを待っている。

世界報道写真展:現代社会の問題の部

世界報道写真展2018

<単写真1位 ジェスコ・デンゼル>
ラゴス・マリーナから観光客を乗せ、マココ地区の運河を進んでいく1隻のボート。マココは人口約15万、その多くが何世代にもわたりこの集落で生活してきたが、ラゴスの急発展により、不動産売買用の海岸の土地が限られ、富裕層のための居住地区を建設する動きがある。

世界報道写真展2018の感想

毎年楽しみに待っている世界報道写真展ですが今年はスケジュールをチェックしていなかったので開催から1ヶ月も経ってから観に行ってきました。

世界報道写真展には多くの人が訪れており、みんな真剣な眼差しで写真を観ていました。

テロや環境破壊の写真など今年の世界報道写真展も観終わった後に重苦しい気持ちになるものが多かったです。親という立場になってから初めての世界報道写真展だったということもあり、特に子どもが苦しんだり悲しんだりしている写真を観るのは辛いものがありました。

冷房の効いた館内で苦しむ人々の写真を眼にするのも複雑な気持ちになります。生まれた国が違うだけで死との距離がこうも違うのかと思うと自分たちの恵まれた環境に感謝せざるを得ません。

個人的には「長期取材の部」で組写真1位となった姉妹の成長過程を撮った写真が唯一重苦しい気持ちから解放されてくれて、写真としてもすごく好きでした。

世界報道写真展のことを知っている人も知らなかった人もぜひこの機会に行ってみてください。

世界報道写真展2018

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