現在、巷で大人気となっているクレジットカードが『SPGアメックス』です。人気の理由はSPGアメックスを所有するだけでマリオット、SPGそしてリッツ・カールトンといった世界最大ホテルグループのゴールド会員になれるためです。
そしてSPGアメックスブームが一段落したと思いきや、今度はSPGアメックス所有者の間で『プラチナチャレンジ』なるものが流行しています。
プラチナチャレンジとは比較的簡単にゴールド会員よりも上位ランクであるプラチナ会員になることができる方法です。僕も以前にプラチナチャレンジを実施する検討し、結果やらないと結論付けた経緯があったのですが、一転して今回プラチナチャレンジを行うことにしました。
マリオットとSPGのプラチナ会員になるメリット・特典
プラチナチャレンジについて説明する前にまずはマリオットやSPGのプラチナ会員になることによって得られるメリット・特典について説明していきたいと思います。
マリオットとSPGどちらもプラチナ会員が最上位のランクとなっていますので、一般会員、ゴールド会員と比較しながら確認していきます。
SPGのプラチナ会員になるメリット・特典
以下の表は、SPGのプリファード会員(一般会員)、ゴールド会員、プラチナ会員のステータスごとの特典一覧となります。
SPG特典 | 一般 | ゴールド | プラチナ |
---|---|---|---|
対象料金1米ドルごとに付与されるスターポイント数 | 2 | 3 | 3または4 |
ブラックアウト日(特典除外日)なしの無料宿泊特典の交換 | ○ | ○ | ○ |
お部屋確保の可能性 | ー | ー | ○ |
チェックイン時に、より良いお部屋へのアップグレード | ー | ○ | ー |
チェックイン時に、スタンダートスイートを含む空きのある客室の中で最も良いお部屋へのアップグレード | ー | ー | ○ |
250ボーナススターポイントのウェルカムギフト、お部屋でのインターネットアクセスまたは無料ドリンク | ー | ○ | ー |
500ボーナススターポイントのウェルカムギフト、ギフトまたはコンチネンタルブレックファスト | ー | ー | ○ |
客室での無料のインターネットアクセス | ー | ウェルカムギフトの選択 | ○ |
無料の室内インターネットアクセス | ○ | ○ | ○ |
ボトル入りウォーター | ○ | ○ | ○ |
午後4時までのチェックアウト延期 | ー | ○ | ○ |
クラブレベルおよびエグゼクティブレベルのラウンジ特典 | ー | ー | ○ |
表の中で赤字にした部分がプラチナ会員になって得られる特典のうち特にメリットを感じる部分となります。
ゴールド会員ではスイートルームへのアップグレード、無料の朝食、エグゼクティブラウンジの利用といった特典を受けることはできず、これらはプラチナ会員のみの特典となっています。
SPGの場合はゴールド会員とプラチナ会員との特典内容には大きな違いがあり、プラチナ会員になるメリットが大きいことがわかります。
プラチナ会員の特典・メリット
- スタンダードスイートを含む空きのある客室の中で最も良い部屋へのアップグレード
- 朝食無料特典
- エグゼクティブラウンジの利用
マリオットのプラチナ会員になるメリット・特典
次はマリオットのステータスごとの特典を見てみましょう。マリオットにはリワード会員(一般会員)とゴールドエリートとの間にシルバーエリートというランクも存在しますがシルバーエリートについては割愛します。
特典 | 一般 | ゴールド | プラチナ |
---|---|---|---|
対象となる宿泊に対する追加ボーナスポイント | 20% | 25% | 50% |
ルームタイプの保証 | ー | ○ | ○ |
無料の客室アップグレード | ー | ○ | ○ |
ボーナスポイントのアライバルギフト、飲食物のアメニティ、またはマイレージプログラムのマイル | ー | ー | ○ |
無料の客室内高速インターネットアクセス | ー | ○ | ○ |
最大午後4時までのレイトチェックアウト保証 | ー | ○ | ○ |
ラウンジの利用 | ー | ○ | ○ |
2名分の朝食を保証 | ー | ○ | ○ |
SPGの場合は、客室のアップグレード、ラウンジの利用、朝食無料といった特典はプラチナ会員にならないと受けられませんでしたが、マリオットの場合はゴールド会員でもこれらの特典を受けることができます。
マリオットではゴールド会員でも十分な特典を受けることができるため、正直なところプラチナ会員になるメリットはさほどありません。
プラチナチャレンジとは
プラチナチャレンジとは、マリオットやSPGの会員ステータスを最上位であるプラチナステータスにアップさせるためのプログラムです。
規定の期間内に決められた宿泊数もしくは滞在数を達成するとプラチナ会員のステータスが付与されるというものになります。
マリオットでもSPGでもプラチナチャレンジをすることなく正規の方法でプラチナ会員になろうとした場合、ホテルにとてつもない回数宿泊する必要があります。
- SPG:1暦年で25滞在あるいは50回以上の宿泊
- マリオット:75泊以上の宿泊
マリオットに至っては75泊以上の宿泊が必要となっており、週1回のペースで一年間マリオットに宿泊しても条件を満たすことができません。とてもじゃないですが回数的にも費用的にも一般人が達成できるような条件ではありません。
このハードな条件をクリアすることなく簡単にプラチナステータスを獲得できる方法こそがプラチナチャレンジです。
プラチナチャレンジの内容についてはマリオットとSPGで少し違いがあります。
SPGでのプラチナチャレンジの条件
SPGでのプラチナチャレンジでは次のような条件があります。
- 期間は開始日(1日)から3ヶ月後の月末日まで
- 期間中に18泊で達成
- 有効期限は達成から1年後の2月末日まで
- 公式サイトからの予約が対象
- ポイント無料宿泊やキャッシュ&ポイントは対象外
- 過去5年間でプラチナ会員になったことがある場合は対象外
SPGの場合、プラチナチャレンジの期間は月初日から3ヶ月後の月末日までのちょうど3ヶ月間となり、後述するマリオットのプラチナチャレンジより最大1ヶ月近く期間が短くなってしまう可能性があります。
この期間内に18泊する必要があるのですが、例えば4人家族などで1泊2部屋を予約した場合は1泊ではなく2泊とカウントされます。
マリオットでのプラチナチャレンジの条件
一方、マリオットでのプラチナチャレンジの条件には次のようなものがあります。
- 現在マリオットのゴールド会員であること
- 期間は開始日から3ヶ月後の月末まで
- 期間内に9滞在で達成
- 有効期限は達成から1年後の2月末日まで
- 公式サイトからの予約が対象
- ポイント無料宿泊やキャッシュ&ポイントは対象外
- 過去1年間にプラチナチャレンジを行った会員は対象外
- プラチナチャレンジに失敗した場合は1年間エントリー不可
マリオットのプラチナチャレンジではゴールド会員であることが要求されていますが、SPGアメックスを所有してマリオットとステータスマッチを行えば簡単にマリオットのゴールド会員になることができます。マリオットのプラチナチャレンジに興味はあるけれどマリオットのゴールド会員にもなっていないという場合はまずSPGアメックスに申込むのが最短の方法となります。
SPGでは開始日が月初(1日)と設定されるのに対してマリオットの場合はエントリーした日から3ヶ月後の月末までがプラチナチャレンジの期間となります。そのため、例えば2月2日にエントリーした場合は2月2日から5月末日までの約4ヶ月間がプラチナチャレンジの期間となります。
また、マリオットはプラチナチャレンジ期間中に9滞在が必要となります。9泊ではありません。同一ホテルに2日間宿泊しても2滞在ではなく1滞在とカウントされます。チェックアウトから24時間以内に同一ホテルにチェックインする場合も1滞在としてカウントされてしまいます。
マリオットとSPGどちらでプラチナチャレンジを実施すべきか
マリオットとSPGはステータスマッチによりどちらかのステータスをもう一方のステータスと合わせることができます。例えばSPGアメックスを発行するとSPGゴールド会員になれますが、マリオットとステータスマッチすることによってマリオットでもゴールド会員となることができます。
ゴールドステータスだけでなくプラチナステータスについても同じことが言えます。そのためマリオットかSPGいずれか一方でプラチナチャレンジを実施すればステータスマッチすることによってマリオットとSPGどちらもプラチナ会員になれます。
ではマリオットとSPGどちらでプラチナチャレンジを実施するのがいいかと言えば、マリオットでプラチナチャレンジを実施する方がおすすめですし、実際プラチナチャレンジを行った人の多くがマリオットを選択しているようです。マリオットでプラチナチャレンジをした方が良い理由は以下になります。
マリオットの方が期間が長い
SPGのプラチナチャレンジの期間は開始日(1日)から3ヶ月後の月末日までときっちり3ヶ月間となっています。
それに対してマリオットの場合プラチナチャレンジの期間は開始日から3ヶ月後の月末日までのため、月初にプラチナチャレンジを開始するとほぼ4ヶ月間確保できることになります。
短期間で多くの回数宿泊しなければならないプラチナチャレンジにおいて、この約1ヶ月間の違いは結構大きいです。
マリオットの方がコストが安い
プラチナチャレンジに必要となる宿泊数・滞在数は、SPGの場合が18泊、マリオットの場合は9滞在です。マリオットの9滞在は全て1泊だけにすると9泊で9滞在となり、SPGに比べて半分の宿泊数で済みます。
国内ではマリオットとSPGいずれも安いホテルでは1泊1万円前後で宿泊可能ですのでマリオットだと総額10万円程度でプラチナチャレンジを成功させることができます。
マリオットではプラチナチャレンジ中も朝食無料やラウンジ利用特典が使える
SPGでは朝食無料特典やエグゼクティブラウンジはプラチナ会員にならないと受けられない特典ですが、マリオットではゴールド会員であっても受けることができる特典であることは説明しました。
つまりSPGでプラチナチャレンジを実施するとプラチナチャレンジ中は朝食無料特典やエグゼクティブラウン理の利用特典は受けられない一方で、マリオットでは朝食無料特典やエグゼクティブラウンジの利用特典を受けながらプラチナチャレンジを実施することができるためマリオットの方がお得です。
プラチナチャレンジする場合はベストレート保証が効果的
マリオットでプラチナチャレンジをする場合に利用したいのがベストレート保証(ベストレートギャランティー:BRG)という制度です。ベストレート保証とは公式サイトでホテルを予約した場合に他の予約サイトにおいて同一条件の部屋が公式サイトよりも宿泊料金が低い場合には宿泊料金を下げてくれるという制度です。
有償で宿泊する必要があるプラチナチャレンジにおいてはベストレート保証はコストを大幅に下げてくれる可能性がありますので積極的に狙っていくことをおすすめします。
ベストレート保証の詳細や具体的な申請方法については以下の記事で詳しく解説しています。
ちなみにマリオットだけでなくSPGにもベストレート保証制度はありますのでSPGでプラチナチャレンジを実施する場合もベストレート保証の利用をおすすめします。
プラチナチャレンジ中にも徹底的にポイントを貯める
どうせプラチナチャレンジを行うのであればベストレート保証で費用を下げるだけでなく、ポイントもできる限り稼いでおきたいものです。
以下の方法によってマリオットリワードポイントに限らずポイントサイトのポイントも稼ぐことができます。
ポイントサイトを経由してホテルを予約
マリオットのホテルを予約する場合、直接マリオット公式サイトにアクセスするのではなく、ハピタスやポイントインカムといったポイントサイトを経由した上でマリオット公式サイトにアクセスすると宿泊料金の4.8%分となるポイントを獲得することができます。
仮に1泊10,000円で9滞在(9泊)すると、4,320円分(480円×9泊)のポイントを獲得することができます。
このポイントは現金にすることもできますしANAマイルに交換することも可能となっています。
ANAマイルに交換する場合は残念ながらソラチカルートには間に合いませんのでLINEポイントルートかnimocaルートでANAマイルに交換することになります。
マリオットメガボーナスキャンペーンに登録して最大27,000ポイント
マリオットでは1月16日から4月15日までの期間中にマリオットグループのホテルに滞在すると、2回目の滞在から1滞在につき2,000ポイント(週末の宿泊は3,000ポイント)が加算されるメガボーナスキャンペーンが実施されています。
期間中すでに1回は滞在している人は、プラチナチャレンジの9滞在を全て週末に予約することで27,000マリオットリワードポイント(3,000ポイント×9滞在)が加算されることになります。まだ1度も滞在していない人でも2滞在目からはボーナスポイントが加算されるため最大で24,000マリオットリワードポイントが加算されることになります。
オープニングキャンペーンで最大18,000ポイント加算
モクシー東京錦糸町やモクシー大阪本町では、オープニングキャンペーンとして1滞在につき2,000マリオットリワードポイントが加算される宿泊プランも用意されています。
マリオットでのプラチナチャレンジの9滞在を全てこの宿泊プランにすると18,000マリオットリワードポイント(2,000ポイント×9滞在)加算されます。
SPGアメックスで決済して100円ごとに6ポイント
マリオットグループのホテルに宿泊する際の料金をSPGアメックスで決済することにより100円につき2スターポイントが貰えます。
スターポイントはSPGのポイントですが1:3の割合でマリオットのリワードポイントに交換することができるため、100円ごとに6マリオットリワードポイント獲得できることになります。
宿泊料金が10,000円だと600マリオットリワードポイントですが、9泊もすると5,400マリオットリワードポイントとなるためバカにできません。
マリオットのゴールド会員は宿泊料金1米ドルごとに12.5ポイント
一部のホテルブランドに例外もありますが基本的にマリオットグループのホテルに宿泊すると宿泊料金1米ドルにつき10マリオットリワードポイントが加算されます。
さらにマリオットのゴールド会員である場合は25%がボーナスポイントとして加算されるため、ボーナスポイントも含めるとマリオットのゴールド会員は1米ドルにつき12.5マリオットリワードポイント加算されることになります。
為替次第ですが宿泊料金が10,000円だと1,100ポイント〜1,200ポイント程度貯まることになります。これが9泊なので合計で10,000ポイント近く獲得できます。
全て合わせるとマリオットのプラチナチャレンジでマリオットリワードポイントが60,000ポイントほど貯まることになります。
10万円で60,000ポイントを購入してついでにホテルに9泊もできて無料で朝食やラウンジ利用ができると考えると結構お得かもしれませんね。
SPGアメックス紹介キャンペーンで51,000ポイント
上記の方法でもマリオットリワードポイントを60,000ポイントほど貯めることができますが、まだSPGアメックスを発行していないという人は紹介キャンペーンを利用してSPGアメックスに申込むとSPGのポイントとして17,000スターポイント貰うことができます。
先ほど説明した通りスターポイントは1:3の割合でマリオットリワードポイントに交換することができるため、51,000マリオットリワードポイントになります。
全て含めると110,000マリオットリワードポイント以上獲得できることになります。
周りに紹介可能な方がいない場合には下のボタンからお問い合わせいただければSPGアメックスを紹介させていただくことも可能です。
なお、お問い合わせにあたっては個人情報の記入は不要です。お名前は仮名やニックネームで結構です。また、SPGアメックスへの申込内容(住所、勤務先、収入など)や審査結果がこちらに伝わることも一切ありませんのでご安心ください。
プラチナチャレンジにエントリーした理由
昨年末にプラチナチャレンジにエントリーするつもりでいましたが結局エントリーするのは止めました。理由は大きく二つあります。
ひとつ目の理由は、今年は家族でハワイに行ってロイヤルハワイアンやワイキキビーチマリオットに宿泊するのでプラチナ会員になっておきたい気持ちがあったのですが、悲しいことにこのハワイ旅行に黄色信号が灯っているためです。
そしてもうひとつの理由はマリオットのステータスバイバックが終了してしまうことです。
ステータスバイバックというマリオットのポイントを使ってステータスを買い戻すことができる制度が終了となってしまうため、例えマリオットのプラチナ会員になったとしてもプラチナステータスの維持が困難になってしまいます。
それなのになぜ一転してマリオットのプラチナチャレンジにエントリーしたかと言うとこちらも理由は二つあります。
ひとつはゴールド会員だと受けられる特典の差からホテルに宿泊する際はいつもSPGではなくマリオットを選択してしまい、SPGアメックスの恩恵を今ひとつ受けきれていないと感じるからです。
SPGのゴールド会員は朝食無料特典もエグゼクティブラウンジ利用特典もないため、SPGグループのホテルはまだ横浜ベイシェラトンに一度宿泊しただけです。
マリオットとSPGでプラチナ会員になると今度はゴールド会員がおらずラウンジが空いていそうなSPGのホテルばかり選んでしまいそうな気もしますが。
マリオットのプラチナチャレンジにエントリーしたもうひとつの理由は、マリオットとSPGのプログラム統合に対するリスクヘッジです。
どう考えてもSPGのゴールドステータスとマリオットのゴールドステータスとでは釣り合っていないため、プログラム統合によってマリオットに宿泊する際にはこれまでと同じ特典を受けることができなくなる可能性があります。
そうなるとエグゼクティブラウンジや朝食無料といった特典がない少し物足りないステータスだけになってしまうので今のうちにマリオットとSPGのプラチナ会員になっておこうと思っています。
追記
無事にマリオットでプラチナチャレンジをクリアしてプラチナ会員になりました。実際にマリオットでプラチナチャレンジを行った内容については以下をご参照ください。
日本時間の4月17日早朝、ついにマリオットとSPGの統合による新プログラムの内容が正式に発表されました。
2018年5月10日、マリオットの公式サイトで新しい発表がありました。