先週、海外のサイトでSPGとマリオットの統合に関する内容がリークされていましたが、日本時間で4月17日早朝、ついに統合の内容が正式に発表されました。
マリオットとSPGとの統合による新プログラムは2018年8月1日より運用開始となりますが、新プログラムの名称は来年2019年に発表となる見込みです。
2018年5月10日:マリオットの公式サイトで新しい発表がありました。
マリオットが公式発表!SPGアメックスでステータスマッチしたゴールド会員は統合後プラチナ会員ではなくゴールド会員か?
2018年6月29日:ホテルのカテゴリーが発表になりました。
マリオットとSPGプログラム統合後のホテルカテゴリーがついに発表!ポイント無料宿泊で狙い目なホテルは?
2018年7月26日:統合日が8月18日(土)であることが発表されました。
マリオットとSPGの完全統合は8月18日と公式発表!統合による注意点まとめ
2018年7月31日:SPGアメックスのステータスとカード更新による無料宿泊特典の内容が発表されました。
やはりSPGアメックスは継続すべき!?統合後ステータスと継続ボーナス(無料宿泊特典)の内容がついに発表!
まだ未定の部分もありますが、ひとまず発表された範囲でまとめてみたいと思います。
SPG、マリオットのアカウントが統合
プログラムが統合されるので当然と言えば当然ですが、2018年8月からSPG、マリオットのアカウントが統合されます。
現行ではSPGとマリオットで別々にアカウントを管理してホテルの検索や宿泊予約をする必要がありますが、公式サイトやアプリもひとつにまとまってくれることで随分と楽になりそうです。
SPGとマリオットのポイントも合算
アカウントの統合によってSPGとマリオットのポイントも合算されることになります。
8月にSPGのスターポイントは一括で新プログラムの「ポイント」に変換されますが、ポイント数はスターポイントの3倍となります。
現行のプログラムではスターポイントとマリオットリワードポイントとの交換レートは1:3なので、新プログラムに移行するときも現状維持ということになりました。
統合後の新プログラムでの会員レベル
リークされた情報のとおりですが、統合後の新プログラムでは会員レベルが見直され5つのエリート会員資格となります。
統合後の新プログラムでは宿泊数のみでエリート会員資格が決定されることになり、SPGで採用されている滞在数による条件は無くなってしまいます。ただし、SPG会員への救済措置として2018年内は滞在数による宿泊実績も認められることになりました。
エリート会員資格 | 宿泊条件 |
---|---|
シルバーエリート | 10〜24泊/年 |
ゴールドエリート | 25〜49泊/年 |
プラチナエリート | 50〜74泊/年 |
プラチナプレミアエリート | 75〜99泊/年 |
プラチナプレミアエリート アンバサダー | 100泊以上/年 |
現行のSPGとマリオットのメンバーが統合後の新プログラムでどのエリート会員資格が与えられるのかが気になるところですが、これについては以下のとおりとなります。
新プログラム | SPG | マリオット |
---|---|---|
シルバーエリート | 10~24泊達成のプリファードゲスト | 10〜24泊達成のシルバーエリート |
コーポレートプリファードゲスト | ||
プリファードゲストプラス | ||
ゴールドエリート | ゴールドプリファードゲスト | 25~49泊達成のシルバーエリート |
プラチナエリート | プラチナプリファードゲスト | ゴールドエリート |
Platinum Preferred Guest with 50 nights | ||
プラチナプレミアエリート | 75泊達成のプラチナプリファードゲスト | プラチナエリート |
プラチナプレミアエリート アンバサダー | 100泊達成のプラチナプリファードゲスト | 100泊+対象となるご利用金額2万米ドルのプラチナエリート |
SPGとマリオットで比較すると同じゴールド会員であっても、SPGのゴールド会員は統合後の新プログラムでゴールドエリートとなりますが、マリオットのゴールド会員は新プログラムではプラチナエリートになり差が生じています。
後述しますが、この点がSPGアメックスを発行してSPGとマリオットでゴールド会員になっている人にとって、統合後の会員レベルがはっきりせず当惑している原因となっています。
新プログラムのエリート会員ごとの特典
統合後の新プログラムにおけるエリート会員レベルごとの特典についても変更となりました。エリート会員レベルごとの主要な特典だけを以下に抜き出してみました。
特典/エリート会員資格 | シルバー | ゴールド | プラチナ | プラチナ プレミア | アンバサダー |
---|---|---|---|---|---|
ポイントボーナス | 10% | 25% | 50% | 75% | 75% |
優先レイトチェックアウト | ○ | 14時 | 16時 | 16時 | 16時 |
ホテルのウェルカムギフト | ポイント | ポイント、朝食またはアメニティ | ポイント、朝食またはアメニティ | ポイント、朝食またはアメニティ | |
より望ましい客室へのアップグレード | ○ | スイート含む | スイート含む | スイート含む | |
ラウンジへのアクセス | ○ | ○ | ○ |
現行のマリオットのプログラムではゴールド会員に無料朝食やラウンジアクセスの特典が与えられていましたが、新プログラムではゴールドエリートには朝食無料特典やラウンジアクセスといった特典が無くなることになります。
ポイント獲得方法の追加
統合後の新プログラムでは、より多くの場所、より多くの方法でポイントが獲得できるようになります。ルネッサンス・ホテル、W、コートヤード、セントレジスなど、個性豊かな29のブランドの6,500軒を超えるホテルが対象になります。
また、客室料金のほか、部屋付けにできるレストランやスパなどの付随費用に対してもポイントを獲得できることになります。
これらは地味ですが改善されたポイントです。
ポイント利用による無料宿泊
統合後の8月からフリーナイトアワードチャートが適用されます。無料宿泊に必要となるポイントは以下のとおりとなります。
カテゴリー | スタンダード (8/1有効) | オフピーク (2019年予定) | ピーク (2019年予定) |
---|---|---|---|
1 | 7,500 | 5,000 | 10,000 |
2 | 12,500 | 10,000 | 15,000 |
3 | 17,500 | 15,000 | 20,000 |
4 | 25,000 | 20,000 | 30,000 |
5 | 35,000 | 30,000 | 40,000 |
6 | 50,000 | 40,000 | 60,000 |
7 | 60,000 | 50,000 | 70,000 |
8 (2019年予定) | 85,000 | 70,000 | 100,000 |
統合後のプログラムでは、スタンダード、オフピーク、ピークの3シーズン制となり、必要となるポイント数が変動するようです。また、カテゴリー8が新たに設定されます。これらはいずれも2019年からの導入予定となっています。
カテゴリー8が設定されることに伴いホテルのカテゴリーも見直しが行われるとなると思われます。日本のホテルはカテゴリーが高すぎるので低くなってくれると嬉しいのですが。
また、これまでの無料宿泊と同様にブラックアウト(特典除外日)は無しとなっており、現金とポイントを組み合わせた「キャッシュ+ポイント」での宿泊や、ポイントを使ってスイートへのアップグレードなども可能となっています。
ポイントを40社以上の航空会社のマイルに交換可能
SPGの魅力のひとつにスターポイントを多くの航空会社のマイルに交換できることがありましたが、統合後の新プログラムではこの制度が引き継がれ、ヴァージンオーストラリア、エーゲ航空、ニュージーランド航空などが新たに加わり、40社を超える航空会社のマイルにポイントを変換することが可能になります。
また、ポイント交換レートは3ポイントで1マイルとなりますが、スターポイント:マリオットリワードポイント=1:3であることを踏まえると、これまでと同じレートでマイルに交換できることになります。
また、8月からは60,000ポイントごとに15,000ボーナスポイントが追加で提供され、合計25,000マイルを獲得できるため、これも現行のSPGのプログラムが踏襲されていますので1.25倍でマイルへの移行が可能ということになります。
SPGアメックスはどうなるのか
持っているだけでSPGとマリオットのゴールド会員になれてしまう大人気のクレジットカード「SPGアメックス」ですが、SPGアメックスについてもプログラム統合に関する変更内容が発表されました。
ゴールド会員資格の付与は継続
SPGとマリオットが統合した後の新プログラムにおいてもSPGアメックスを発行するだけでゴールド会員資格が付与されることになります。
ただし、新プログラムによるエリート会員資格の特典で確認したとおり、統合後の新プログラムではゴールド会員には無料朝食特典やラウンジアクセス特典は付与されません。
この点については、8月までにSPGゴールドからマリオットゴールドにステータスリンクすればマリオットのゴールド会員なので新プログラムではプラチナ会員として扱われるという情報とプラチナ会員にはなれないという情報とが錯綜しているようです。個人的には残念ですがプラチナ会員として扱われることは無いだろうと予想しています。
新プログラムでプラチナ会員に移行されるを目指すのであれば8月までにプラチナチャレンジをしておくのが最善の方法かと思います。
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しかし、SPGアメックスでゴールド会員になった後にプラチナチャレンジでプラチナ会員になった場合でも、新プログラムでプラチナプレミアエリートに移行してもらえるのか、まだはっきりとはわかりません。
通常カードご利用時の獲得ポイント数
これまではSPGアメックスで決済した場合、100円につき1スターポイント貯まっていましたが、統合後の新プログラムでは100円につき3ポイントとなります。
増えたように感じてしまいますがスターポイントからポイントに変更となるので現状維持の内容です。ここは改悪されなかっただけでもありがたいです。
エリート会員資格取得用クレジット特典内容
これまで継続ボーナス特典として「2滞在分の滞在実績と5泊分の宿泊実績」が付与されていましたが、2018年8月1日以降は「5宿泊分のご宿泊実績」となります。
統合後のプログラムでは宿泊実績は「滞在数」ではなく「宿泊数」だけとなるのに合わせた変更です。
無料宿泊特典の対象ホテルは増加
カード継続時の無料宿泊特典ですが、こちらはこれまでSPGプログラム参加ホテルだけだったのが、統合後はSPG・マリオットリワード参加ホテルが対象(一部対象外のホテルあり)となるため、マリオットグループのホテルにも無料宿泊特典で宿泊することが可能となります。
マリオットにまで対象ホテルが増えるのは嬉しいですね。
まとめ
4月17日にSPGとマリオットの統合による新プログラム発表され、8月1日から運用スタートというかなりタイトなスケジュールとなりました。情報が出揃っていないことも重なって当惑している人も多そうです。
マリオットによるSPG買収に伴ってマリオットとSPGとの制度には歪みが生じていました。その歪みをついてSPGアメックスを片手に美味しいとこ取りができていたわけですが、予想通り今回の新プログラムでこの歪みは解消されてしまうことになりました。
しかし、それほど悲観するような内容のプログラムでもなく、バランスの良いプログラムに設計されている印象を受けました。
個人的には、ポイントでの無料宿泊がスタンダード、オフピーク、ピークと3シーズン制になったので、オフピークを狙って上手にポイントを使っていければと考えています。